医学系研究科博士課程理学療法研究領域
【研究領域の概要と特色 】
理学療法研究領域への入り口
病態生理学や運動学などを礎にした基礎理学療法学に関する研究,および包括的運動解析による運動器理学療法,VR などの先端技術を用いたニューロリハビリテーション,AI を用いた小児の運動発達や制御,さらには,地域共生社会における地域理学療法といった臨床理学療法学に関する研究など,多岐にわたります.
2021年 4 月,大学院 医学系研究科 博士課程 の医学専攻内に新たな「理学療法研究領域」が開設されました.研究科はまたぎますが 大学院福祉 健康科学研究科修士課程 から博士課程まで,同じ研究指導教員から一貫して理学療法学の研究を修学できます.
募集要項で相談窓口は教授となっていますが,本研究領域では准教授や講師も含め直接研究指導を受けたい教員にお問い合わせいただいて結構です.
なお,長期履修制度もあり,社会人でも指導教員と相談の上,夜間や特定の期間に授業・研究指導を受けることができます.
【育成する人材 】
基礎科学や医学を礎とした理学療法学の構築に貢献できる人材,および地域のリハビリテーション医療や健康増進を牽引する人材を育成します.
ニュース
2024/05/19
大塚章太郎講師が新たに着任されました.NEW
2023/10/08
大分大学クライシスマネジメント機構公開講座「感染症危機管理と感染症疫学」を開催します。学内外の感染症の専門家により,感染症の基礎から災害時の感染症危機管理までをカバーした講義を展開します。対象は,大分県内で感染症対策の実務に従事している医療関係者や自治体の職員,大学院生などを想定しています。
多くの方に受 講して頂くために,以下のように計画しています。
(1)受講料は無料です
(2)開講時間を平日の夕方に設定しました,
(3)対面だけでなく遠隔での受講も可能です
(4)ご興味のある回のみを選んで受講して頂いても構いません。
多くの方の受講をお待ちしています。
https://www.he.oita-u.ac.jp/blog/2023/09/14/2023crisis/
多くの方に受
(1)受講料は無料です
(2)開講時間を平日の夕方に設定しました,
(3)対面だけでなく遠隔での受講も可能です
(4)ご興味のある回のみを選んで受講して頂いても構いません。
多くの方の受講をお待ちしています。
https://www.he.oita-u.ac.jp/blog/2023/09/14/2023crisis/
2023/10/05
防災に関するシンポジウムを開催しました
令和5年1月22日(日)に大分市内のトキハ会館において,「レジリエント社会・地域共創シンポジウム『自然災害もうひとつの危機~避難所における健康リスクを考える』」(主催:大分大学,共催:国立大学協会,大分県)が開催されました。本領域からも複数の教員が関与する研究力強化推進プロジェクト「自然災害時の避難所における健康危機管理」の一環として実施されたものです。
オンラインを含めて112名の参加を得て(関係者を除く),自然災害時の避難所に潜む健康危機について,専門家による講演が行われ,また,防災,感染症,行政,医療などさまざまな分野のパネリストによる議論が繰り広げられました。防災・減災に関する展示会「防災・避難所EXPO」も同時開催されました。
シンポジウムの模様は,下記URLからご覧頂けます。
https://youtu.be/Tn2rKUGgBtY
シンポジウムの内容を冊子にまとめました。
シンポジウム講演記録集
オンラインを含めて112名の参加を得て(関係者を除く),自然災害時の避難所に潜む健康危機について,専門家による講演が行われ,また,防災,感染症,行政,医療などさまざまな分野のパネリストによる議論が繰り広げられました。防災・減災に関する展示会「防災・避難所EXPO」も同時開催されました。
シンポジウムの模様は,下記URLからご覧頂けます。
https://youtu.be/Tn2rKUGgBtY
シンポジウムの内容を冊子にまとめました。
シンポジウム講演記録集
2022/12/18
感染症疫学講習会を実施しました
12月10日(土)と17日(土)に,大分大学クライシスマネジメント機構公開講座「感染症危機管理:自然災害時の感染症疫学」を挾間キャンパスで開催しました。被災地における感染症被害を最小限に抑えるために必要な学術的基礎から最新の国家戦略まで,学内外の専門家に講演を頂きました。
左より,西園晃教授(医学部・微生物学),加來浩器教授(防衛医大),金子聰教授(長崎大),中島一敏教授(大東文化大),徳丸治教授(福祉健康科学部,世話人)
左より,西園晃教授(医学部・微生物学),加來浩器教授(防衛医大),金子聰教授(長崎大),中島一敏教授(大東文化大),徳丸治教授(福祉健康科学部,世話人)
2022/04/29
2022/01/25
教員一覧
内部障害理学療法学、高齢者理学療法学分野
1.呼吸器・循環器疾患患者、および高齢者に対する運動療法の効果に関する研究
高齢者、慢性閉塞性肺疾患(COPD)症例や心不全症例に対する運動の有用性は、これまでも多く報告されています。今後は重症呼吸不全症例、重症心不全症例の運動療法の効果、薬物療法をはじめとした他の治療と併用した場合の影響を検証していく予定です。2.摂食・嚥下機能に関する研究
高齢者の肺炎の多くは「誤嚥」が関係していると報告されています。われわれは誤嚥を早期に発見する評価の開発、嚥下機能が低下した方に対する運動療法の効果などを検証しています。3.高齢者の身体機能、社会参加に関する研究
身体機能と社会参加は深くつながっていることが知られています。現在、「社会参加の状況と身体機能、口腔機能との関係」、「住民主体型運動教室に参加する高齢者の身体機能の経年変化」について研究を行っています。4.COPD患者の早期発見と重症化予防に関する研究
COPDは有害な粒子を長期間吸入することが原因で発症する疾患です。COPDの認知度向上、早期発見、早期治療が重要と言われています。早期発見のための呼吸機能検査がスクリーニング検査として推奨されています。地域の住民に対してスパイロメトリーから算出された「肺年齢」を使って、啓発活動、早期発見のシステム作りを行っています。連絡先:ma-asai*oita-u.ac.jp
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河上研究室
1.筋萎縮に対する機械刺激の効果とその分子メカニズム
一般に,筋力トレーニング効果には強い負荷運動が必要です。しかし,強い負荷運動は高齢者や患者に対して難しいですし,危険です。一方,理学療法室の高齢者や患者に対して弱い負荷量でも筋機能が向上することをよく経験します。また,萎縮筋に対する筋力トレーニング効果は,健常筋に対する効果に比べてかなり早く表れます。我々の目的は,その「不思議」を明らかにすることと,既存の定説を覆す新たな理学療法の開発です。2.筋損傷に対する理学療法効果とそのメカニズム
一般的に,スポーツ時に起こる筋損傷は,安静,冷却,圧迫,挙上が大切だと言われます。 しかし近年,損傷筋に起こる炎症反応は筋の修復に不可欠であり,炎症を抑えると回復が遅れることが分かってきました。これには,損傷筋を掃除する細胞や筋の幹細胞の活動が関わっているようです。また,理学療法で行う力学刺激は掃除や再生を加速しそうです。我々の目的は,炎症反応による筋の修復のメカニズムを明らかにすることと,既存の定説を覆す新たな理学療法の開発です。連絡先:kkawakami*oita-u.ac.jp
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生理学研究室(徳丸 治, MD, PhD, MPH)
薬物の直接的フリーラジカル消去作用の評価
多くの疾患病態生理に関与する酸化ストレスの最上流にフリーラジカルが位置する。種々のフリーラジカルを薬剤が直接消去する作用を電子スピン共鳴法により評価する。脳組織内の高エネルギーリン酸の分布の可視化
脳は体内で産生されるATPの1/5を消費する。質量分析イメージングにより,マウス脳内の高エネルギーリン酸(ATP, ADP, AMP)の分布を可視化する。周術期合併症のメタボロミクス解析による予測
周術期合併症を予測し速やかに防ぐことは,術後の死亡や後遺症を減らす上で重要である。核磁気共鳴法によって血液や尿中の代謝物を定量し(メタボロミクス解析),周術期合併症のリスクを予測することを目指す。自然災害時の避難所における健康危機
我が国は,世界有数の災害多発国である。令和3年度大分大学重点領域研究推進プロジェクトに当研究室の「自然災害時の避難所における健康危機管理」が採択された。避難所における健康に関する問題について,領域横断的な研究を展開していく。連絡先:ostokuma*oita-u.ac.jp
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阿南研究室
ヒトは地球上において,重力の影響下にて立ち上がり動作,歩行などの基本的動作をおこなっています.しかし,加齢や外傷などにより,関節への力学的ストレスがより増大することで変形性膝関節症などの変性疾患が生じ,活動制限に至ります.運動器疾患を対象としている理学療法士において,病態発症および進行の原因を明らかにし,さらに個々の患者に応じた理学療法を提供するための客観的評価方法を開発することは非常に重要であります.
当研究室は三次元動作解析システムや筋電計,モーションセンサーなどを用いて,高齢者や運動器疾患患者の動作の特徴を明らかにします.そして,理学療法学の発展に貢献できることを目指しています.
研究テーマ
1.運動器疾患の病態発症および進行の原因の解明に繋がる研究
Key words:変形性関節症,力学的ストレス,協調性,変動性,動作解析2.運動器疾患に対する運動機能評価に基づくサブグループ化を確立する研究
Key words:筋機能障害,関節可動域制限,疼痛,理学療法評価3.新しい客観的評価方法を利用した理学療法の効果検証における症例研究
Key words:モーションセンサー,筋電計,ビデオカメラ連絡先:anan-masaya*oita-u.ac.jp
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紀研究室
筋萎縮および筋損傷の回復過程におけるリンパ管系の役割とそのメカニズムの解明
リンパ系は,リンパ管・リンパ節・リンパ器官からなる複合システムであり,血液中への組織液の回収や,免疫において重要な役割を担っている。これまで様々な疾患動物モデルを用いてリンパ管の役割を中心に検証してきた。その結果,リンパ管が腫瘍組織の増殖・転移,リンパ浮腫,炎症の拡散や創傷治癒などの機序に重要な役割を担うことが解明できた。近年,筋萎縮・筋損傷などの筋の病態やその回復においても,リンパ管の新生が大きく関与していることを明らかにしつつある。理学療法による筋萎縮・筋損傷からの回復促進効果には,力学刺激によるリンパ管内皮細胞のシグナル伝達機構が大きく関与している可能性がある。この様なリンパ管の科学的検証は,より効果的な理学療法の開発や,新薬の開発に発展させることができると考える。連絡先:ji*oita-u.ac.jp
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菅田研究室
理学療法を行なうと運動機能が変化します。そして、この運動機能は脳によって制御されています。つまり、理学療法によって脳機能が変化しているということになります。このように脳と理学療法は切っても切り離せない関係にあります。理学療法の真理を追究するために脳科学的な知見から理学療法研究を行なっています。
研究テーマ
1.身体化錯覚の転移を用いた神経リハビリテーションの開発
Key words:仮想現実(VR)、拡張現実(AR)2.運動学習に関わる脳内メカニズムの解明
Key words:頭皮脳波(EEG)、皮質脳波(ECoG)、脳内ネットワーク、脳律動3.内受容感覚(心の感覚)と運動学習能力との関連性解明
Key words:内受容感覚、心拍誘発脳電位(HEP)、リアルタイム制御4.半側空間無視の神経基盤解明
Key words:Attention theory、メンタルローテーション、脳律動、脳内ネットワーク連絡先:hsugata*oita-u.ac.jp
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萬井研究室
ヒトの姿勢運動制御は,複雑かつ多様な状況下に,常に柔軟に適応しています.しかしながら,神経筋疾患,加齢,発達といった種々の要因により,適切に調整することが困難となります.ヒトの姿勢運動制御の特性を知り,バランス障害を有する人々の姿勢・運動制御を改善する理学療法の開発を進めています.三次元動作解析システム,床反力計,加速度計,筋電図などの機器を用いた研究を行っています.
研究テーマ
1.フィードフォワード制御とフィードバック制御の関連性に関する研究
Key words:姿勢制御,予測的姿勢調節,感覚フィードバック,Virtual reality system(VR)2.乳幼児期からの姿勢・運動制御の発達過程の解明に関する研究
Key words:小児,運動発達,縦断研究,深層学習(Deep learning)3.発達性協調運動障害の姿勢・運動制御特性の解明
Key words:発達性協調運動障害,運動不器用,姿勢バランス,動作解析連絡先:mani-hiroki*oita-u.ac.jp
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大塚研究室
超高齢社会を迎え、寝たきりの原因となる脳卒中の発症率が増加しています。その6割を占める脳梗塞の急性期治療には4.5時間という投薬の時間制限があり、9割の患者さんは間に合いません。そのため脳卒中の予防には発症だけではなく、重篤化も予防する方法の開発が必要です。大塚研究室では予防運動と遠隔虚血プレコンディショニング(RIPC:Remote ischemic preconditioning)を組み合わせ、本来体の中に備わっている神経保護機能を活性化させる新規予防法の開発を行っています。
研究テーマ
1.予防運動由来の神経保護効果が脳梗塞体積に与える影響
2.RIPCと予防運動の併用による新規予防法の確立
RIPCとは、腕や大腿部を一時的に縛り、圧迫と解放を繰り返し行う方法であり、神経保護効果が獲得できると報告されています。現在、ラットの両大腿部や尾にカフを巻いて基礎実験を行っています。連絡先:otsuka-shotaro*oita-u.ac.jp
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